もうひとつの『高校教師』

lovelytsubasa2005-10-31

現在、ファミリー劇場で放送中の『高校教師』のことばかり考えている毎日です。

『高校教師』と聞くと、90年代の名作・野島伸司脚本のドラマ…と連想するかたが多いと思いますが、ここでの『高校教師』とは、1974年に加山雄三主演で、しかも東京12チャンネル放送…というそこはかとなくマニア臭漂うモノ。ファンサイト も存在しています。

私立白雪女子高校(→笑)を舞台に、ズベ公たち(山内えみ子、須藤リカ、愛田純、春日まち子、四方晴美→60年代の名子役でした)と新任教師(雄三)の激しい日常を描く…というのがストーリーの軸。しかし毎回、犯罪と隣り合わせ的なエピソードが挟まれ視聴者をヒヤヒヤさせます。過激派学生の爆弾事件、放火事件、スケバン同志の抗争(まるでヤクザ並み!)など、ダークサイドがお得意の野島先生もハダシで逃げてくギャランドゥな描写満載。

…というか、野島先生はもしかしてこの作品を下敷きにしてあの『高校教師』を執筆されたのだろうか?そうだとしたら…改めて野島先生のセンスに脱帽です。

クール、言い換えれば単にやる気のない加山雄三の演技がとにかく素晴らしい。私は映画の若大将シリーズが好きで様々な作品を観てきましたが、昭和40年代後半〜50年代に入ってのテレビドラマで展開される“ニュー雄三”のほうにグっとキます。
『大追跡』でのヘルメットのような髪型で得意な射撃の腕を披露する雄三も、明らかにダークサイドを生きる男を熱演していました。無神経で鈍感な若大将キャラばかりが注目されている限り、そういった真の雄三の魅力はなかなか一般的には広がらないでしょうネ。