力道山
先日、映画『力道山』をテアトル銀座で観る。平日の夜というのにかかわらず、ほぼ満席。ひと目でわかるプロレスファンや年配者が多い。女子は少なめ。
ようやく“力道山の陰の部分”が公に語られ出した。しかし「差別に負けず」的な美談でまとめられていたことや史実どおりには描かれていない点、その点は少し残念だった。これから力道山を知ろうとする若い人たちには充分楽しめる内容だろうとは思うが…。力士からの転職でプロレスラーとなった東浪役(実話では東富士)で出演していた故・橋本真也の姿には感慨深いものがあった。
力道山刺殺に関して多くの著作物で語られる、いわゆる“山口組田岡一雄、東声会、住吉連合会等でのゴタゴタ”。この作品では力道山を刺した男(山本太郎)が単に酔っ払いのチンピラでしかなく、組織がらみのものはまったく描かれていなかった。同時代の美空ひばりにしても、興行とヤクザという暗部を避けては語ることは出来ないのだが、ここまで踏み込むのはやはりタブーだったのだろう。割とそのあたりの描写を期待していたので、自分にとっては少々肩すかし…といった感じだ。
そんなことを考えつつも、思わず涙してしまったのが、力道山役のソル・ギョングの鬼気迫るプロレスシーン。国籍の違いを抱えながら「自分が最強」ということを疑わず、負けることを絶対に許さなかった彼の執念。そんな執念を画面いっぱいに狂気の世界として描いたカメラワークの素晴らしさに心底感動した。そして同じマイノリティである弟子・大木金太郎(原爆頭突きでおなじみ!)との心の交流も感動的なシーンだった。豊登、ハロルド坂田、シャープ兄弟など有名レスラーが続々と出てくるのにも感無量…。
いつか『三丁目の夕日』を観にいこうと思っていたのだが、『力道山』を観てからはなんだかどうでもよくなってしまった。単純にノスタルジーだけで昭和30年代を表現したものは、テーマパークだけで充分だ。
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モーニングジャンボ・奥さま8時半です
放送10周年記念本をオンライン古書店で購入。以前から探していたものなので感激です。
もともとは1972年4月〜1973年10月まで、平日の朝6時50分〜8時00分まで(後に朝7時〜8時に放送時間が短縮された。)放送されていた「モーニングジャンボJNNニュースショー」というTBS系列(JNN)の報道番組が前身でした。「モーニングジャンボJNNニュースショー」が、低視聴率で1年で終了したため始まった番組です。1972年4月3日から1984年5月4日朝8時半〜10時まで放送されました。1973年のいわゆる“腸捻転解消”(東京と大阪のネットワーク変更)という大改革も乗り切り、12年も続いた長寿ワイドショーでした。今でいうと、「はなまるマーケット」の時間帯ですね。
小学生の頃に風邪で欠席した時に必ず観ていた番組で、オープニングテーマ(作曲・小林亜星→♪ハハン、ハハン、8時半〜)が流れるとわくわくしたものです。しかしそんなさわやかなオープニングとはまったく違ったバッドテイスト満載の「スクープ」コーナーが、実は当時の私にとっての一番の目玉だったりします。
「スクープ」コーナーは、あえて言うとするならば“ウィークエンダー”をちょっとだけ奥さま向けにした(笑)感じかしら。記憶にあるのは“一家惨殺事件!”といった内容のレポート。レポーターが解説する時に、説明のボードにはその現場の様子をイラストで表現したものを使用していたのですが、そのイラストたるやが恐怖!“包丁で刺されて血の海!”“苦しみ、あえぐ被害者!”といったシーンが、五月女ケイ子さん風タッチのイラストで表現されていたのです。当時小学生の私にとってはかなりの衝撃でした…。
あんなに美しいオープニングテーマ、アットホームな司会陣(鈴木治彦、宮崎総子、藤田和弘)に隠されたバッドテイスト。「はなまるマーケット」では永遠に体験できないシーンでしょう。
ショートカット
現在、昭和45年にNET(現・テレビ朝日)で放送されたドラマ『だいこんの花』のDVDを観ています。
森繁久弥扮する海軍あがりの父親と、ハンサムだけれども優柔不断な息子・竹脇無我の二人の会話がとてもほほえましく、味があります。脚本は石立鉄男シリーズでおなじみの松木ひろし、そして向田邦子。名人芸ともいえる、彼らの粋な台詞の数々に感動しています。
そんな中、改めて気がついたのですが、出演者の女性のほとんどがショートカット美人…ということ。
主人公の親子のウチのお手伝いさん・川口晶、森繁の友人・大坂志郎の娘・武原英子、無我がお見合いする相手・江美早苗…といったラインナップ。ゲスト出演の星由里子もショートボブです。
ショートカットといっても様々ですが、ここでは短いもみあげをカールにして、前髪を短く、全体的にウェーブをかけたセシルカットの応用?といった感じです。特に江美早苗さんと武原英子さんは同じ髪型のようです。ショートだけど二人ともとても女性らしくキュートです。ウェーブが決め手なのかも。
以前から、由美かおるさんを代表としたショートカット美人に弱い私。特に女優さんの場合、ショートカットにすると美しさ倍増のような気がします。顔が前面出る分、ディテールがはっきりとしてしまう難点もありますが、魅力も全開となる非常に賭けの要素が強い髪型なんですね。
しかし上記の女優陣で既にお二人(武原英子、江美早苗)が鬼籍に入られているとは…ホントに寂しいです。観ながら、少し涙してしまいました。
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今村クン
元・ずうとるびのメンバーで現在、放送作家として活躍されている今村良樹さんのブログを発見しました。
私自身は、“ずうとるびのファン世代より少し後”という世代で、彼らをアイドルという括りで見たことはまったくありませんでした。アイドルというよりはお笑いグループ。
だから今村さんがブログで書かれている「小説:1/5の物語」を読んで、かなりの衝撃!
確かに今村さんは“瞳が大きく八重歯が光る”最もアイドル的なルックス(上の女学生の友の表紙画像だと、下の左側の男の子)だと思いますが、山田クンとか新井クンとかはちょっと判断が難しいです(ファンだった方、ゴメンナサイ!!)。
まぁそんなことはさておき、さすが文筆業!今村さんの文章はとても読みやすく、嫌味のない文章です。
オークション/凸凹大学校
昨年から参加させていただいている友人の忘年会&高円寺・円盤でのオークション大会に出かけました。たくさんのディープなかたがたとお話ができ、細胞が活性化された感じです。
オークション大会では、“どんどんクジラ”こと放送作家の塚田茂御大の『どんどんクジラの笑劇人生』の単行本と、これまた70年代のスター放送作家である田村隆氏編集の『笑って!笑って!!60分』の豆本を落札しました。どちらも以前から欲しいものだったので大満足です。特に70年代の土曜日の午後にTBSで放映されていた『笑って!笑って!!60分』は、伊東&こまっちゃんの黄金コンビのコント(小松の親分さん!等)がぎっしり詰まっているのに、DVD化はおろか、話題にすらのぼらない状況。こういったコント集で当時の空気を思い出しています。ずうとるびの江藤クンと舟木一夫との“家庭教師コント”が私は大好きでした。自殺未遂騒動から立ち直った舟木クンの仕事としては、あまりにもGJ!
70年代のバラエティー番組で、毎週チェックしていたのが『三波伸介の凸凹大学校』でした。
ジェスチャーのお絵かき版である名コーナーの“エスチャー”を企画したスタッフの優秀さ!若かりし頃の岸本加代子のキュートさ、そして何を描いても四本足の動物になってしまう、相変わらずここでも輝いていた、ずうとるびの江藤クンの才能!DVD化を企画しようかな。
■三波伸介の凸凹大学校放送リストより、すばらしいテレビ欄に記載されていたタイトルの数々!
▽キャー悪ガキずうとるび、ちえこ襲撃▽魅惑のペア今夜登場
▽変な外人番組ジャック(ゲストは松本ちえこと、外人タレント?)
▽犬になったピンクレディー▽昌子の大勘ちがいで今村気絶!
▽亜土の絵はまあまあたナ!? (ゲストはピンクレディー、森昌子、そして水森亜土タン!!)
冬の古本整理
このところ、私のコレクションである、60年代の女子雑誌『女学生の友』を年代別に整理し、データをまとめています。宝の持ち腐れにだけはなりたくないので…。しかし60年代コンプリートにはまだまだ道は遠い…といった感じですネ。
…という訳で、「女学生の友の世界」がブログになりました。以前のサイトの内容+新ネタでまとめていく予定です。どうぞよろしくお願い致します。
http://blog.livedoor.jp/satsuki430525/
それにしても古本、特に古い雑誌は読んでいても楽しく、ネタの宝庫だなぁと改めて感激。…って当たり前のことなのですが…。特に冬は古本屋さんに出没する回数が急激に増える傾向にありますので、蔵書も一気に増加します。
人気のオンライン古書サイト「海月書林」の冬の古本市では『きょうの料理テキスト 昭和40年1月号』『COOK 昭和44年7月号』『カラーブックス 駅弁旅行』を購入。良質な料理と旅モノの本に出会うと心もホクホクします。