『赤い衝撃』の衝撃
現在、関東ローカルでTBS深夜にて(上記のリンクはnot地上波のTBSチャンネルのものです)ひっそりと再放送されている『赤い衝撃』!あの大映ドラマの中でも名作といわれている作品。「泣きどころ」「笑いどころ」のまとめ方、もうこれ以上わかりやすい描写はないだろうという限界キャラ設定*1と演出(監督は名匠・増村保造)に改めて衝撃。
思うに昨今の“純愛ブーム”*2の原点はこういった作品群なのだろう。しかし、現在の純愛モノとの大きな差は「言いたい事や想いをストレートに語らない美学」が70年代ラブストーリーには確実に存在する事だ。キャラクターが「ナチュラル」というスットコドッコイな看板を掲げて、かったるそうに本音を語る世界観は、ここには存在しない。“「好き」という言葉を出すのも照れ臭い”、“身体の結び付きを求めたいが今の僕たちには早過ぎるんじゃないか*3”、そういう悩みを口に出さずに抱えて生きていく70年代ドラマの主人公たちに、自分は強く共感を覚えるのだ。
そしてそれは、70年代の女子高生に絶大な人気を得た俳優(例えばこの『赤い衝撃』に出演中の三浦友和や、デビュー当時の沖雅也など)における「理想のお兄さんキャラ」に必須の「抑えの美学」にも堅著に現れている。