「どうしようもなく、バージンなの」
藤田敏八監督VS秋吉久美子70年代の青春3部作のDVD-BOXが発売!
…と、いう訳でDVD買いました。この三部作の中では、やはり*『バージン・ブルース』(1974年・日活)でしょう。ビンパチ(→藤田監督の愛称)監督というと、キ●ガイみたいに『スローなブギにしてくれ』や『野良猫ロック・ワイルドジャンボ』がイイ!とかのたまっていた自分が恥ずかしくなる程の名作ぶり。音楽もやたらと揺さぶってくれるなぁと思ったら武川行秀(現・タケカワユキヒデ)&ミッキー吉野だった…。ゴダイゴ以前。
“不思議ちゃんの元祖”秋吉久美子*1と、震えるほど魅力的な中年・長門裕之*2との「まったり」ロードムービーなのだが、自分にとって理想のラブの形(年上の男とあての無い旅に出る)をここまで具現化してくれるものに出会えた事に、何だか歳がいもなく胸が熱くなってしまった。この作品を「若い女の子の転落人生」といったありきたりな言葉で済ましてはバチが当たる。
…と、少々冷静さに欠けてスマソ。長門演じる「処女性」に幻想を抱く中年男性の哀しさ、秋吉の眉間の皺やパタパタとした寂しそうな歩き方が良いです。まっすぐな青春映画。